於愛の方の生家の屋敷神 斎宮(いつき様)

斎宮(いつき様)画像
斎宮(いつき様)画像

掛川市上西郷の構江地区では、西郷の局(於愛の方)の生誕地と伝えられる地(構江公民館敷地内)に祀られている小祠を「いつきさま」と呼び、地元の人たちが「斎菩薩和讃(いつきぼさつわさん)」を唱和しています。

この「いつきさま」は、『掛川誌稿』では「西郷斎宮神」と記されています。「斎宮」は「いつきのみや」とも読みますから、小祠が「いつきさま」と呼ばれるようになったのです。「いつき」には「潔斎して神に仕えること、神を祭る所」などの意味があります。

構江地区のすぐ北にこの地域の鎮守である五社神社がありますから、斎宮は西郷の局(於愛の方)の生家、大きな構えであったことから構江屋敷と呼ばれた屋敷の屋敷神として祀られていたといっていいでしょう。

当地では今でも各家で「地の神様」を祀っています。「屋敷神」は「地の神様」という理解でいいのではないかと思います。西郷の局(於愛の方)の生家である構江屋敷の屋敷神を、屋敷跡の構江段(かまえ・だん)と呼ばれる地区住民が、構江段の「地の神様」としてお祀りしていたのではないかと考えます。

9月23日の年祀り、毎月6日の月祀りに地区住民によって唱えられているご詠歌「斎菩薩和讃(いつきぼさつわさん)」は、歌詞の内容から作ったのは法泉寺と思われます。僧が作ったとなれば、そこに「菩薩」など仏教の言葉があるのは不思議ではありません。

ただ、「和讃」を作ったのが法泉寺だとすると、作られたのは戸塚五郎太夫の墓がある観音寺廃絶後に和讃が作られた可能性もあり、作られたのはそれほど昔ではないかもしれません。

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